【検査値を読めるようになろう】血液中のカルシウムから体の異常を発見する【臨床検査技師監修】

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ミネラルについて

カルシウムは、5大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ミネラル・ビタミン)のミネラルの1つです。

このミネラルは、岩や土に含まれている「無機質」と呼ばれるものを指します。

そして、無機質とは水素(H)、炭素(C)、窒素(N)を除いた元素のことです。

ミネラルの中でも人体にとって大切なものを「必須ミネラル」と呼んでいて16種類あります。

その中でもカルシウム(Ca)は、体内で不足しやすいと言われていて、気がつかないうちに長期間不足すると体に不調をきたす可能性があります。

そのため、日頃からバランスの良い食事をしっかり摂ることが重要となります。

今回は、ミネラルの中でも馴染みの深いカルシウム(Ca)についてお伝えします。

カルシウム(Ca)とは

カルシウム(Ca)とは、骨や歯を作ってくれる体にとって重要なミネラルです。

そして、カルシウム(Ca)はミネラルの中でも一番多く体内に存在しています。

体内(成人)には、約1kgのカルシウム(Ca)が存在していて、99%は歯や骨、1%は血液中に含まれています。

カルシウム(Ca)は、人体で作られないため、食物から摂取しなくてはいけません。

カルシウム(Ca)が多く含まれている食品には、小魚、乳製品、大豆製品などがあります。

カルシウム(Ca)を摂取する上で注意しなくてはいけないのは、魚介類やキノコなどに多く含まれているビタミンDも一緒に摂らないと吸収効率が落ちてしまうことです。

そのため、毎日バランスの良い食事を摂って不足しないようにすることが非常に大切となります。

カルシウム(Ca)不足が長期化すことで体に大きな影響を与えることになり、重度の場合は生命に関わる危険性も出てきます。

また、軽症の場合であっても不健康状態が長期化したことで体に様々な影響が出てくることがあります。

◆血液中のカルシウム(Ca)の重要性について

血液中のカルシウム(Ca)は約1%しかありませんが、筋肉の収縮、神経の伝導、ホルモンの分泌、血液の凝固作用などの生理機能調節に重要な役割を果たしています。

体内カルシウム(Ca)のバランス維持には、食事からの摂取、消化管からの吸収、腎臓からの排泄などによって調節されています。

また、カルシウム(Ca)の代謝には、同じ無機質のリンの代謝が関連していて、これらが平衡に保てるように副甲状腺ホルモン(PTH)とビタミンDによって血液中のCa濃度をコントロールしています。 

*代謝とは、体の中で色々な栄養素が合成やぶんかいされていく過程を指します。

そのため副甲状腺のホルモン異常や消化管、骨、腎臓などの臓器に異常があると、血液中のカルシウム(Ca)値が異常を示します。

カルシウム(Ca)の測定法

カルシウム(Ca)の測定は、血液を用いて生化学自動分析装置で測定します。

採血から結果報告までは1時間程度です。

検査当日の飲食に関しては特に制限はありませんが、他の項目で影響がでる場合もあるので早朝空腹時の採血が一般的です。

検査結果で異常値が出た場合は、原因を究明するためにホルモンや腫瘍マーカー検査、心電図、骨などのX線撮影などの精密検査を行ないます。

また、タンパク質のアルブミンが基準値から外れたとき、カルシウムイオン(Ca2+)が足りているのか足りていないのかを判断する指標となるので、低アルブミン血症の時にも用いられます。

基準値と異常値

◆基準値 8.2~10.0mg/dl(O-CPC法)

 高齢者の場合、アルブミン値の低下がみられるため若干低値傾向にあります。

◆異常値 

1)異常高値 10.1mg/dl以上

 疑われる疾患:アジソン病、急性腎不全、甲状腺機能亢進症、多発性骨髄腫など

パニック値 12mg/dl以上

致死性の不整脈、意識障害、筋肉の麻痺などによって死に至る危険があります。

2)異常低値 8.1mg/dl以下

 疑われる疾患 ネフローゼ症候群、ビタミンD欠乏症、尿毒症、慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、SLEなど

   (痙攣)

パニック値 6mg/dl以下

低Ca血症性テタニー(痙攣)をきたします。

この時、強い痛みを伴う筋肉の全身痙攣で意識を失ったり、呼吸困難に陥ることがあります。

治療について

◆高Ca血症の治療

 軽度異常の場合、リン(P)を経口投与します。

 中等度異常ではCa降下薬の投与副甲状腺の外科的切除などを行ないます。

 重度異常の場合は、血液透析が行われることがあります。

◆低Ca血症の治療

 軽度異常の場合は、カルシウムサプリメントの経口投与で治療できます。

 また、低Ca血症を引き起こしている原因となる病気を特定して治療したり、薬剤を変更する事でもカルシウム濃度は元に戻ります。

カルシウムの吸収を促進する場合は、ビタミンDサプリメントを併用したりもします。

 重度異常でテタニー(痙攣)などの症状が出ている場合は、グルコン酸カルシウムの静脈投与(点滴)が必要となります。

まとめ

カルシウム(Ca)の99%は骨や歯に多く含まれていますが、血液中に含まれている僅か1%のCa濃度を調べることで、体内の異常を知ることができます。

カルシウム(Ca)の異常は、ある程度低下しても症状が出ないこともあるため、定期健診などの検査で見つかることがよくあります。

症状が見られないということで、長期間放置することで体に大きな影響を及ぼす危険性があります。

血液検査で異常が指摘された場合は、早めに医療機関に受診して軽症のうちに治療することをお勧めします。



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