【ep108】甲状腺機能亢進症【いつもと何か違う症状を見逃さないで】

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

もくじ

甲状腺機能亢進症とは?

甲状腺ホルモンが過剰に作られている状態で、代表的な病気をバセドウ病といいます。

バセドウ病の原因ではっきりしたものはありませんが、バセドウ病の方の内15パーセントは家族内に同じ病気の方がいることがわかっています。

その他は、大きな環境の変化(出産など)をきっかけに発症するため、遺伝的要因環境的要因があるといわれています。

発症するのは女性の方が多く、症状としては疲れやすさ動悸頻脈多汗体重減少食欲亢進などを伴います。

これらの症状は甲状腺が新陳代謝を良くする働きがあるためで、一般的に常に運動をしているような状態』と表現されることもあります。

発病から診断を受けるまで

症状の様子

私の発症時の症状は、動悸や頻脈、不眠、体重減少でした。

当時お付き合いしていた人と関係が良好ではなく、強いストレスを抱えていた期間に強い症状を感じるようになりました。

当時はそれぞれ別の原因で起きた症状だと思っていましたが、病名がわかってからは、それぞれが同じ病気の症状の1つであったと気付くことができました。
症状について、詳しくご説明します。

動悸

動悸の程度は、『体に異常がある』と自覚するほどの強いものでした。
不定期に訪れる数秒間の強く速い動悸に、仕事や作業を止めて胸に手を当てることも多くありました。

特に喫煙後に強く生じることが多く、診察までは怖くて喫煙できませんでした。

頻脈

脈は常に80〜100回/分でした。
脈を測る習慣はありませんでしたが、動悸がしたときや診断後に注意して測るようにすると平均より速いことに気づきました。

不眠

寝つきが非常に悪く、夜間に目が覚めることも多くありました。

不眠が原因で、仕事中の睡魔や休日は昼寝をする必要があったためストレスを感じていました。

当時の私は、「運動不足だから夜眠れないのかも」「寝る前にタバコを吸っているから寝つきが悪いのかも」と生活習慣が原因であると考えていました。

体重減少

1番体重が多かった時期と比べると5kg減少していました。

定期的な運動はしていましたが、特に食事制限はしていなかったため、自然と体重が減少していることを「筋肉がついて代謝が良くなった」と思っていました。

周囲から「痩せたよね」と言われることに嫌な気持ちになるわけもなく、特に気にはなりませんでした。

受診時の様子と診断

甲状腺機能亢進症、いわゆるバセドウ病と診断を受けました。

私は、医療従事者ということもあり、なんとなく自分の症状からいくつかの病気を推測していたので、強い症状を感じてから1週間以内に血液内科または循環器内科がある病院を検索し、受診しました。

今まで大きな病気をしたことがなかったため、とても不安で早期受診に至りました。

甲状腺機能の血液検査は、身体検査で行われる血液検査とは項目が異なり、特化した血液検査ができない病院もあるため、検査結果がわかるまで数日を要することもあります。

私が受診した病院は総合診療を行っている比較的大きな病院だったため、甲状腺に関する血液検査が可能で、待たずに結果をもらえました。

検査結果から「甲状腺機能亢進が疑われる」ということで、すぐに専門病院へ紹介状を書いてもらい後日受診しました。

幸運なことに近隣に甲状腺の専門病院があったため、初診日に血液検査とエコー検査を行い、バセドウ病の確定診断を受けることができました。

今までは原因がわからずに不安だったので、正確な病名がわかったときは安心しました。

治療と経過

私の治療方針は、服薬と禁煙でした。

現在もメルカゾールという、甲状腺から出るホルモンを抑えるための薬を服用しています。

また、喫煙は甲状腺機能に関する薬の効果を弱めることがわかっており、主治医からもすぐにやめるように言われました。
診察した翌日に決心し禁煙を開始、そこから禁煙を継続しています。

薬の服用開始後から動悸と頻脈はほとんどなくなり、不眠も解消されました。
少し体重が増えましたが、それ以降は適正体重を維持するように意識しています。

現在の様子

診断から約2年経過していますが、現在は定期診察による血液検査と服薬量の調整で治療を継続しています。

受診の経過は、発症から4ヵ月までは1回/月、5ヵ月目以降は1回/2ヵ月、1年目からは1回/3カ月と徐々に回数が減っています。

薬も毎日1錠服薬していたものが、現在は1回/3日と減量しています。

症状は、ときどき軽い動悸がありますが、それ以外は特にありません。

今後の治療方針は、血液検査上での病状の改善と薬の中断です。
薬を中断しても定期診察が必要となり、環境の変化などで再発することが多いため、完全な治療は難しいといわれています。

まとめ

甲状腺機能障害の症状は、見逃しても問題なさそうな症状が特徴です。
運動不足や生活リズムなどが原因と勘違いしがちな症状が多く、症状が悪化する例もあります。

幸運なことに私の症状は軽症でしたが、うつ病の発症や手術が必要になった友人もいます。

何か異変を感じたらすぐに病院受診することをおすすめします。

甲状腺機能亢進症で悩んでいる方へ

私の場合は、一定期間の過度なストレスが原因で発症したと言われました。

確かにストレスを感じていましたが、「自分が病気になるはずがない」と心のどこかで思っていました。

しかし、自分の生活習慣や考え方が原因と決めつけずに、早い段階で診察を受けて本当に良かったと思っています。

病気になったことはどうしようもできませんが、病気になり治療を始めたことでわかったこともたくさんあります。

治療をすることで、症状は軽くなり精神的にも安定します

いつもと違う自分しかわからない症状を見逃さずに、早い時期に病院で診察を受けることを強くおすすめします。



カテゴリー:体験談

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