【ep109】もやもや病【しっかり対処すれば普段と変わらない生活】

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

もやもや病
みなさんはこの病名を聞いた時にどのような症状を思い浮かべますか?

この病気は2021年現在も難病指定とされている脳血管の病気です。

もやもや病の由来は、健康な方より脳血管が細くてレントゲンにもやもやと写るためそう呼ばれていると言われます。
私のレントゲンも脳血管がもやもやと写っています。

その為、過呼吸などによる脳虚血が起こりやすく手足が痺れたり、また筋脱力発作やけいれん発作を起こすことが多い疾患です。

ここでは、そんな私がもやもや病患者として30年近く、いま現在も通院、服薬治療し続けている治療の実態をお伝えしていけたらと思います。

もくじ

もやもや病の特徴(個人の感想を含みます)

私が実際に体験したもやもや病の特徴は、
・幼少期の女子がラーメンなどを食べている時に発症しやすい
・呼吸が乱れた後、手足になかなか力が入らない
・常に頭の側頭部から額にかけて頭痛がする
・突然、一瞬だけ目の前が暗くなる事があるが、その後は何ともなくなる

などがあります。

また、人より脳血管が細く詰まりやすいため、脳梗塞のリスクが高いことも特徴だと思います。
私自身も小さい脳梗塞が2個ほどあります。

病気になって感じたこと

この病気に罹って感じる事は、まだあまり認知されていない病気の為、症状などを理解してくれる方が少ないということです。

今から4年ほど前、病状が悪化した際には、地元で一番の総合病院で治療を拒否されたり、当時の主治医の先生が4枚びっちり書いて下さった紹介状を開けて見てすらもらえないことがありました。
また、小学生から20歳までのあいだ何かと相談にのってくれた主治医にも、邪険に扱われるなんて事もありました。
総合病院の先生には、「僕は診るのは勘弁」そんな事も言われてしまいました。

私はこれらの経験をした時、すごく孤独感と絶望を感じました。

この病気はあまり事例も知られてない為、治療を拒む先生が出てくることも多く、孤独ややるせなさを感じる事は本当に多いです。

見た目が健康な人と変わらない為、発作が起こらない限りみんなと同じように生活できるというメリットはあります。
しかし一方で、発作などを起こした時に好奇の目で見られたり、周りに引かれたりして、中々病気を理解してもらえないというデメリットもあります。

症状と治療中の様子

私は今から約30年前の当時5歳の時に、このもやもや病を発症し、約30年経った今現在も治療中です。

当時の私は外で遊ぶのが大好きで、幼稚園のマラソン大会は常に1位、鬼ごっこやすべり台で遊ぶのが大好きなどこにでもいる普通の女の子でした。

そんなある日、本当に突然もやもや病を発症したのです。

最初の発作と治療

私が初めて発作を起こしたのは、友達の家でラーメンを食べていた時でした。
ラーメンを食べる際に、行う「フーフー」と冷ます行為が過呼吸に繋がり、発作を引き起こしてしまったのです。

いくつかの県内の病院を受診しましたが、どの病院でも原因不明の発作と診断をされていましたが、数ヶ月後にようやくもやもや病という診断が下されました。

そこから治療が始まり、その後すぐに脳血管のバイパス手術を左右どちらも行いました。
その後は週2回の受診と服薬治療をすることになりました。

また、当時は幼少期で身体ができていなかった為、私生活の中でも禁止行為がありました。

学校生活では、
・鍵盤ハーモニカやリコーダー
・体育でのマラソンや水泳の息継ぎ
・休み時間の鬼ごっこ

などが禁止されました。

また学校以外でも、
・温かいラーメンやうどん
・かけっこやしゃぼん玉遊び
・どんな時でも思いっきり泣くこと

などが該当しました。

これらの行為は、過呼吸が起きる可能性があり、発作のリスクを高めてしまうとのことで、私自身も気を付けて生活をしていました。

それでも、小学4年生までは週に数回けいれん発作筋脱力発作が起きていました。

その後、小学校高学年〜20歳の頃には身体ができてきた為、段々症状も落ち着き、中学と高校では運動部に所属したり、その後福祉の専門学校に通う事もできました。

成人後に再発した発作と入院

20歳の頃、勤務先の介護施設で夜勤の時に突然倒れてしまい入院→そのまま手術となってしまいました。

振り返ってみると、頭痛体のむくみ体重の増減などが症状として出ていましたが、当時は社会人になりたてで、仕事にプライベートにと忙しく、それらの症状を大して気にしていなかったが故の結果でした。

その後、治療に専念するために夢だった介護職を辞めることになりました。
この時は本当に絶望したのを今でも覚えています。

しかし、治療に専念していたにもかかわらず、その半年後にまた異変が起きてしまいました。

その頃、体力維持の為に毎日ウォーキングをしていました。
ウォーキングから帰ってくると、頭痛や手足の痺れが出るようになったのです。
また、吐き気を伴うこともあり、数日後、救急車で運ばれ入院してしまったのです。

MRI検査の結果、軽い脳梗塞になっていました。
1か月ほど服薬などの入院治療や検査を受けた後、退院することになりました。

その後は軽い左片麻痺が残っていたので、理学療法士さんに教えていただいたリハビリを自宅で行いながらの日々でした。

その結果、半年〜1年ほど経った頃には、通常の健康な方と同じように手足を動かすことができるまでに戻ることができました。
リハビリの他に、早期発見できたこと、発症した年齢が若かったことが快復に繋がったようです。

油断した頃に現れた酷い症状

前回の発作が落ち着いた後は、社会人として介護職に復帰し、趣味もあり、恋愛もでき、普通の20代の同世代の女の子と変わらない充実した日々を送っていました。

この時には走る事も、ラーメンを食べる事も特に意識して気をつける事もなく、周りの方となんら変わりない生活を送っていました。

しかし、30歳をちょっと過ぎた頃、再度身体に異変が起きたのです。

ウォーキングを趣味として続けていた私は時間があれば、歩いていました。
しかしある時、毎日同じような生活を送っていたのに、体重が急激に減少したのです。

「夏の暑さのせいかな?」と、あまり気に留めていなかったのですが、ある日、激しい下痢の症状が出てトイレに駆け込んだ瞬間、動悸意識障害を起こし、救急車で運ばれたのです。

次に目が覚めた時、私の身体には左側の感覚が存在していませんでした。
半側空間無視という症状、そして軽い高次機能障害を起こしていたのです。

2ヶ月の入院中も左側に対して、
・感覚がないのでぶつけてしまう
・食事を認識できずに残してしまう
・人が立っていても気付けない
・歯磨きや洗顔などの整容を忘れてしまう

などのトラブルが起き、とにかく左側が存在しない日々が続きました。

それに加えて、簡単なひらがなさえ書けなかったり、小学生でもできる足し算ができない、相手の言っていることも上手く理解できないなどの症状もみられました。
自分の左側が存在しているのかすらわからない、自分のなかに左側が存在していないと、とにかく頭のなかはぐちゃぐちゃでした。

この症状の原因は、4年経ったいま現在も不明です。
しかし、当時の主治医の先生が大変良くして下さり、何度も何度もMRI検査をして下さって、原因を突き止めようとして下さりました。
その結果、対処方法はわかる事ができましたので、現在もそれを気を付けて生活しています。

まとめ

最後の入院から4年経ち、初めてもやもや病を発症してからは30年が経ちました。
現在も私は軽い高機能障害と、もやもや病の症状は残っています。

もやもや病は見た目は本当に普通で、私自身カミングアウトする事があると必ず「そうなの⁉︎ 全然健康そうで病気に見えなかった」と言われます。

健康な人との違いは服薬をしているくらいで、それ以外は普通に外でウォーキングなどのスポーツを行ったりしているので、目立った違いがないのは事実です。

しかし、ある日突然病状が変わるのも事実です。

その時は本当にメンタルがやられるので、その為にはまず信頼できる主治医の先生を見つけておくこと、そして自分がどういう時に体調不良になりやすいのかをきちんと把握しておくことが大事だと思います。
私は生理の時や、腹痛を起こした時などに発作を起こしやすいので、その間は気を付けるようにしています。

また、まだあまり認知されていない病気なので、理解を中々してもらえないのも現状です。

私自身、部活の友達に「面倒くさい」と言われたり、元カレに「病気が重い」と言われたこともあります。

しかし、中には理解してくれる人も居ます。
どんな生活を送るのが、自分は心身共に健康でいられるのかそこを自分でも理解し、病気と共に生きていくことはとても大事です。

頭痛や身体に違和感を感じている方へ

普段と変わらない生活をしているのに、なぜか身体が重い、体調が思わしくない、強い倦怠感がある、頭痛や吐き気、体重の変化が著しい

それは身体が送っているサインかもしれません。

継続して激しい頭痛がある、手足がピリピリ痺れる気がする。

そんな異変を感じたら、まずはお近くの脳外科を受診することをオススメします。

もやもや病は上手く向き合っていけば、この疾病を持ってない方と変わらない生活を送ることができます。

私は、いま血流をよくする薬を数種類毎日飲んでいますが、みなさんと変わらず歩く事も運動をする事もできます。

早期発見、早期治療は症状の悪化を防ぐ事ができます。

治療が遅れると、そのぶん後遺症も残ってしまい、リハビリなどの治療が長引いてしまいます。

少しでも身体に異変を感じたら、まず病院に行ってみること。

後回しにせず、少しでもおかしいと感じたら病院に行き、みなさんの今ある穏やかな生活を守っていきましょう。



カテゴリー:体験談

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