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◎この記事の中の人プロフィール◎
【年齢】54歳(症状発生時25歳)
【職業】会社員(症状発生時フリー)
【喫煙】無
【飲酒】少々
皆さんは『特発性自然気胸』という病名を聞いたことがありますか?
私自身、この病気に罹るまでは聞いたことのない病名でした。
もくじ
気胸の特徴
気胸とは、肺に穴が開くことにより中の空気が外に漏れ、その空気の圧力で肺が縮む病気です。
一般的に、やせ型で高身長の男性に多いと言われておりますが、私自身は筋肉質で低身長なので、あまり体形によらず罹る場合があるようです。

気胸になると呼吸が困難になると言われています。
私の場合、呼吸に乱れはありませんでしたが、その代わり身体を少し動かすだけで胸に強い痛みを感じ、動くことさえままならない状態になりました。
私はこの病気に罹り、身体に少しでも違和感を覚えたら専門医に相談することが大事だと思いました。
放置すればするほど治療が長引くことを、身をもって体験しました。
病気の経過
発症時の様子

最初に身体に異変を感じたのは入院する1週間前のことです。
初めのうちは胸が少し痛む程度だった為、特に気に掛けることもありませんでした。
違和感を感じてから5日後、3㎞程度のランニングをした時に体が重く思うように走れませんでした。
しかし、この時も直前にカナダから帰国したこともあり「体力不足と環境の変化で普段と違う感じがしただけだろう」としか思いませんでした。
この自己判断の誤りが治療を長引かせてしまったのです。
ランニングで違和感を感じた2日後の朝、布団から出ようとすると胸に激痛が走りました。
この時はじめて、自分の身体に何か特別なことが起きたと思ったのです。

少しでも体を動かすと胸に痛みがはしり、身体を動かすことが辛い状態になりました。
流石にここまでくると「病院に行かなければ」という意思が働きました。
病院に向かう間のことは30年近く経過した今でもはっきり覚えていて、自分で車を運転して病院まで向う際、身体を動かすことが辛くマニュアル車のギアをほとんど変えずローギアのまま走って向かいました。
受診時の様子
病気について見当がつかなかった為とりあえず総合病院に向かい、病院スタッフに症状を伝えると内科の受診を勧められました。

内科医に症状を伝えると、すぐに胸のレントゲン撮影を受けました。
レントゲン写真を見るや否や「今から入院の準備をしてください。」と内科医に言われ、ここで初めて気胸という病気のことを知りました。
そのレントゲンに映っていた私の肺は、素人目にも片側の肺が小さくなっているのがはっきり分かったのです。
内科の先生からの説明では「肺に寄生虫らしき影が映っている。これが気胸になった原因かどうかは分からない。ただ、寄生虫だとしても既に死んでいるようなので問題はなさそうだ。」とのことでした。
数か月前までカナダの農場で働いていた為、寄生虫を吸い込んだ可能性は否めません。
結局、寄生虫であったかどうかも判明しないまま、その後影も無くなりました。

診察を受けたその時から入院となったわけですが、主治医から「絶対安静にしていれば自然に肺が膨らんでくる。だから、大人しくしてさえいれば大丈夫。」と言われ少し安心しました。
この安心して気を抜いたことが後々後悔することになるのです。
治療の様子
絶対安静ということを軽くみて、見舞いに来てくれた家族や友人達と談話室で話を続け、その結果、症状が悪化してしまいました。
何も施術をしなくても安静にさえしていれば完治したかもしれない状態だったのにもかかわらず、自ら症状を悪化させたのです。
そして、施術をする羽目になりました。
施術は、脇の下にメスを入れ肺から漏れた空気の領域に管を通し、それをドレーンバッグという装置に繋げました。
肺の外に漏れた空気は管を通ってベッドの横に置いたこの装置へ送られることで、自然と肺が元の状態に戻るのを促す治療法です。

とりあえず大きな手術は免れたのですが、管が臓器に擦れているような感覚が四六時中発生し、激しい痛みで寝ていることさえ辛くなったのです。
その時の激しい痛みの要因は、管が上手く通っておらず、臓器を擦らせていたとの説明を受けました。
その為、管を入れ直す再施術をすることになったのです。
その後は、ドレーンバッグを抱えながらの入院生活となり、肺が膨らんでくることを待ちました。
10日後、退院できるまでに回復したので無事に退院することができました。
退院後は運動を控えましたが、それ以外では日常生活に問題なく、2回程度の通院で終わりました。
気胸は再発することもありますが、私の場合は特発性自然気胸だったので平気でした。
気胸になり感じたこと
今回の経験をしたことで、いくつか気を付けなくてはいけないと感じました。

●身体に異常を感じたら、早い段階で専門医に相談する
●どんな違和感や症状も軽くみない
●無茶や我慢は後悔の元
当たり前のことと笑われるかもしれませんが、私はこれが出来なかったために苦しい思いをして治療を無駄に長引かせてしまいました。
早期発見・早期回復のためにも、これらのことを今後は心掛けていきたいと思います。
気胸の方や、日常生活で違和感を感じた人へ
生活をする上で身体に少しでも違和感を感じたら、「そのうち治るだろう」と我慢や放置をせず、まずは専門医に相談してください。
また、すでに気胸などの病気に罹っている方は、完治するまでは無理をせず、自分の体を労わって下さい。
私の行いを反面教師として、皆様の健康に少しでもお役に立てれば幸いです。
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