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◎この記事の中の人プロフィール◎
【年齢】37歳
【職業】家事手伝い
【既往歴】強迫性障害(13歳~現在)、心的外傷後ストレス障害[PTSD](35歳~現在)
【服用薬】
主剤 パキシルCR錠25mg 2T/日
副剤 メイラックス錠2mg 1T/日
アリピプラゾールOD錠3mg 1T/日
頓服(不眠時)デエビゴ錠2.5mg 1T/回(1日2回まで)
(不穏時)ロラゼパム錠1mg 1T/回(1日3回まで)
【喫煙歴】なし
【飲酒歴】飲み会時のみ、適量
【医師から指摘されたこと】
①ストレスを溜めないこと
➁“言葉にならない激しい感情”が湧いた時は、独りきりの環境に身を置くこと
【医師からの助言】物理的には無理だが、可能であれば、一人暮らしをすることが望ましい。
もくじ
PTSDの治療経過
受診による病気の発見

私は、現在は別れた元夫からのDVで妊娠中の臨月に自殺企図し、精神科と産科が併設されている大学病院に入院しました。
その時、精神科主治医に『PTSD』との診断を受けました。
子供は無事に出産しましたが、そこからPTSDの治療もスタートしたのです。
治療中の様子
最初の頃は自宅療養で服薬治療を行っていました。
しかし、大量服薬(overdose)やパニック(混乱状態)により自宅での療養は困難と判断され、強迫性障害治療のために通院している精神科病院に入院しました。

そこでは、主治医や担当薬剤師との面談を行いながら服薬調整をしていきました。
また、クライシス・プラン(病気に対する自己での対処や周囲の対応をまとめた計画書)を担当看護師に手伝ってもらいながら作成したり、おくすり日記に日々の体調や服薬時刻を記入するなどの自己管理訓練も行いました。
その後は無事に退院し、再度の自宅療養を続けて現在に至ります。
退院後から現在の様子

症状としては、一日の中でも調子に波があり、昼夜問わずフラッシュバックなどの症状がおきて気分が変動します。
現在は、受診時に作成した『内省ノート』というものを主治医に見てもらい、『言葉にならない激しい感情』をその都度自己分析しながら、主治医の理解も得られるように工夫しています。
内省ノートについては『まとめ』の項目で詳しく記します。
PTSDの特徴、発症して感じる事
私はPTSDを発症後、以下の様な症状や経験をしました。
◆頻回に悪夢を見るため、眠ることに恐怖や抵抗を感じる。
◆どのような事柄がフラッシュバックなどの症状出現の契機となるかわからない。
生活する上で全ての事象が地雷だったが、様々な対処法を試行錯誤するうち、感情が収まったり対処できるようになってきた。
◆肉体的にも魂も、自分が自分でない感覚が常時あるため、自分は生きているのか死んでいるのかわからない感覚。
肉体は器で、体の中身は虚無かブラックホールという感覚。
◆家族ですら信用できず、人間とは関わりたくないため、全く外出したくなくなる。
◆テレビで報道される犯罪が身近な事として感じる。
いつ犯罪に巻き込まれても不思議ではないと確信を持つ。
隣人は敵だという感覚。
◆この世に対する、また生きていることに対する恐怖に打ち克つための自己防衛により、攻撃的になる。
→他者から見ても自身の感覚からも、発症前とは別人になる。
まとめ
以下の対策・対処法により、症状は改善に向かっています。
★「生きる覚悟」を決める。<最重要>
◆『内省ノート』を作り、おくすり日記を補完したり、日々自分の調子で気づいたことを書き留めたりすることで心身の調子を管理している。
◆“言葉にならない激しい感情”が出現した時は、内省ノートに「自分の身に起こった事象」を記し、更に下記3項目を追記していく。
- 「原因(①何がきっかけでそうなったか、➁なぜ①のきっかけで事象が起こったのかその過程)」
- 「事象による現在の自分の物理的状態<ハード面>(①他者から見た自分<→自分を俯瞰する>、➁自分自身が持っている感覚<→全感覚を研ぎ澄ませる事もある>」
- 「事象による現在の自分の精神的状態<ソフト面>(①思考、➁感情、③行動 の観点から内省する)」
※なお、治療継続中のため今後完治すればなお良いが、完治しなくても疾患と上手に付き合っていく方法を、生涯模索し続けるつもりである。
同じ病気にかかっている人へのメッセージ
PTSDになってしまった方は、様々な事情が背景にある方かと思います。
病気の辛さについて他者に理解してもらえない感を、私自身は持っています。
ただ、「生きる覚悟」を決めた時から、心身の変調の波が、以前より少しだけ穏やかになりました。
呻き声を上げ嗚咽して泣き、絶望の中のたうち回って悶絶していた日々を思い出すと、閉鎖病棟や保護室への入院が恋しくなります。

『覚悟の磨き方』(吉田松陰著)に偶然出会わなかったら、子どもが無事生まれなかったら、私は生きていませんでした。
私は、疲労やプレッシャー等、ストレスは厳禁と心得るよう、心掛けています。
主治医からの助言でもあります。
自分を労って、愛してあげて下さい。
そして、貴方にも愛する人や宝物が見つかりますように。
私はまだ時折、「生き永らえてしまった」と感じることもありますが、苦しいばかりでもありません。
一緒になんとか生きていきましょう。
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