【ep133】小児喘息から大人の喘息へ【コントロールできるようになってから思う喘息との向き合い方】

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◎この記事の中の人プロフィール◎
【年齢】43歳
【職業】フリーランスライター
【既往症】喘息
【服用薬】エアゾール、メプチンエアー(吸入薬)
【喫煙歴】2年
【飲酒歴】なし
【医師からの指摘】ペットの飼育について

もくじ

喘息の特徴

喘息は、空気の通り道である気管支に炎症が起きている状態です。

炎症の起きた気管支はとても敏感になっているので、ほこりや気温の変化、ストレスなどちょっとした刺激で気管支が狭くなり喘息の発作を起こします。

発作時は、気管から「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がして、呼吸が苦しくなり、淡が絡んだり激しい咳が出たりします。

発作の苦しさと不安

喘息の発作はとにかく辛いです。

発作が治まるまでは呼吸ができない苦しさにじっと耐え忍ぶほかありません。

激しい呼吸困難の中、薬を飲むのも一苦労ですし、トイレに行くのにも神経や体力をすり減らして命を削っているような感覚があります。

とにかく、少しでも楽な体勢をとり、じっとしているだけで精一杯なのです。

私は、発作時の苦しさだけでなく、日常生活の中でもいろいろな場面で不安を感じることがありました。

例えば、いつ発作が起きるか分からない不安。

季節の変わり目など発作が起きやすい時期は特に、薬がないと不安になります。

子供の頃は、学校に薬を忘れて行ってしまうと、発作のことを考えて一気に不安になっていました。

そして、その不安感が喘息の発作を誘発してしまうこともあります。

また、友人の家でお泊り会をした時は、発作の心配もなく、薬を持参することもなく、楽しそうに笑う友人を見て心底羨ましく思うこともありました。

薬は大きな安心でありましたが、常に薬に頼らなければならないことは精神的な負担でもあったのです。

喘息の発見と治療の経過

私は幼稚園の時に喘息を発症、中学生くらいまでは発作も頻繁で、何度も入退院を繰り返していました。

小学3年生の頃は一年の半分は病院にいましたし、中学生の頃は病院から学校へ通っていたこともあります。

小児科の看護師さんはみんな顔見知りで、本当によくお世話になりました。

昔は、体質改善の薬と発作止めの薬を毎日飲んでいて、いつからか吸入薬に切り替わりましたが、発作が頻繁に続いたり体の状態があまり良くない時は、錠剤の薬も追加されていました。

喘息には完治がないと言われる中、一生こうして薬を飲み続けるのかと子供ながらに将来を悲観したのを覚えています。

発作ばかりで、喘息が良くなる未来は想像もできなかったのかもしれません。

喘息の私にとって生活環境が悪かった

私は当時、犬3匹、猫3匹を飼っていました。

動物の毛は喘息に悪いと、主治医からは毎回のように言われていましたが、大切なペットを手放すことはできず、こまめに掃除をしながら生活を共にしていました。

また、両親も同居していた祖父母も煙草を吸っていました。

昨今の禁煙ブームの影響か、今は自宅で煙草を吸う人もベランダや換気扇の下で吸う人が増えましたよね。

でも、私が子供の頃は、大人がリビングで煙草を吸うのが普通の光景でした。

部屋は煙でもくもく、今思うととんでもなく劣悪な環境にいたと思います。

医師から「煙草を吸う旦那さんが亡くなったら、薬がいらなくなるまで症状が良くなった女性がいるんだよ」という話を聞いたこともあり、煙草の影響は大いにあったと思います。

成長とともに症状は安定⇒通院を勝手にやめた

喘息に苦しめられた幼少期でしたが、成長と共に発作の頻度は自然に減っていきました。

そして20代、実家を出たのをきっかけに通院をやめてしまいました。

医師の指示なく自己判断で治療や薬をやめてしまうのは、喘息が悪化してしまう可能性もあるので危険です。

しかし、当時の私は「もう発作も起きていないし」と、そこまで重要視していませんでした。

喘息のことを何も分かっていなかったのです。

しかも、けしからんことにその間の数年、喫煙もしていました。

幸いなことに発作が起きることもなく、体調は安定していましたが当然のことながら喘息が治ったわけではありませんでした。

妊娠中突然の喘息発作

喘息治療をやめてから、十年以上ぶりに喘息の発作を起こしたのは、息子を妊娠中の臨月のことでした。

病院へ行き、吸入と点滴の処置を受けましたが、薬を使うこと、お腹の赤ちゃんのこと、とにかく不安でいっぱいでした。

医師からは、
「今回突然発作が起きたのは出産への不安によるストレスからだろう」
「もう臨月で赤ちゃんもしっかり成長している段階だから薬も問題ない」

と説明がありましたが、無事に出産を終えるまではどこか不安が残りました。

妊娠中に喘息が悪化する人はわりと多いとのこと。

妊娠中の喘息発作は、赤ちゃんに酸素が行き届かなかったり、早産などのリスクも高まります。

ただ、喘息のコントロールさえできていれば、過度に不安になることはないということも、この時知りました。

それから4年後再び喘息

妊娠中の発作から4年後、肺炎を患い入院、その合併症として喘息の症状が出ました。

激しい発作の時とは違い、動こうと思えば動ける程度の息苦さが何日も続くといった感じでした。

ただこの時は、肺炎の苦しさなのか喘息の苦しさなのか、よく分からなかったというのが正直なところです。

この肺炎を機に、通院と吸入薬を再開しました。

念のためと処方された薬ですが今でも継続しています。

そして、肺炎の時の最後の喘息から10年ほどたちますが、その間発作が起きたことは一度もありません。

まとめ

医師によると大人になって喘息が良くなる人は多いとのことでしたが、私のように小児喘息から寛解、大人になってからの再発もまたよくあるとのことでした。

私は、先に述べたように、長いこと発作を起こしていません。

医師からも「安定している」と言われています。

薬や体調管理、生活環境など、うまくコントロールできているのだと思います。

ただ、私は将来的に、薬がなくても安心して生活できるまでになりたいと思っています。

喘息の経験から思う喘息との向き合い方

喘息は、小児喘息であれば寛解という希望もありますし、大人だってコントロールがうまくいけば、特に制限なく生活することもできます。

そのためには、治療と薬以外に、喘息を知り、自分を知ることが大切だと感じています。

・どんな時に体調が悪くなるのか

・アレルギーに強く反応するのはどんな時か

・発作が起きそうな予兆がある時、どんなことをするとリラックスできるのか

他にも、自分を知ることで、コントロールできることは案外あります。

もちろん、医師の指示に従い正しく薬を使用すること、治療することは大前提ですが。

自分を知る、喘息を知るということは喘息に対する不安の軽減にもなります。

そして、自分でもある程度コントロールができるという前向きな感覚は、治療をしていく上で、精神的な安定ももたらしてくれると実感しています。



カテゴリー:体験談

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