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◎この記事の中の人プロフィール◎
【年齢】37歳
【職業】フリーランスのウェブライター
【服用薬】レメロン、フルニトラゼパム(現在服用中のもののみ)
【既往歴】アトピー性皮膚炎(生まれつき)、成長ホルモン分泌不全性低身長症(8~14歳まで治療)、過呼吸(うつ病発症後)
【喫煙歴】なし
【飲酒歴】コップ半杯未満の量を週に3~5日ほど。何ヶ月も飲まない時期もあり。
うつ病は脳の神経伝達が正常に行われなくなることで、様々な症状が引き起こされる病気です。

数か月や数年で完治する人もいますが、10年単位で治療を続けても寛解しない人も少なくありません。
私もその一人です。
この記事では、そんな私の闘病経験と現在の様子をご紹介します。
もくじ
うつ病の記録
在学中の発症
大学に入って1年が経ったころ、読書をしても内容が頭に入ってこなかったり、重要なスケジュールをド忘れしてしまうようになりました。
読書は日常的に行っていたのですが、気をつけながらゆっくり読んでも、たった1行の内容すら全く頭に入ってこないのです。

読書以外でも物忘れが増えていき、手帳を見なくても忘れないような重要な予定をあっさり忘れてしまったりと、今まででは考えられないようなミスをしました。
生前にうつ病を患っていた祖母を見ていたため、もしかして…と思い、ネットでうつ病の自己チェックを試すことに。
結果は『かなり深刻なうつ病の可能性』というものでした。
そして、すぐに近くのメンタルクリニックを受診し、うつ病と診断されました。
休学と復学
比較的早い段階で治療を開始できたものの、症状はどんどん悪化していきました。
1年で体重は15kg以上落ち、大学の授業はおろか試験に行くこともできなくなり、翌年から休学しました。
1年休学しても症状はそれほど改善しませんでしたが、これ以上休学したら復学できなくなる気がして、復学を決めました。
復学後は、
・1限や2限の授業は基本的に取らない
・授業に出席できなくても仕方がないと割り切るようにする
・人付き合いは最低限にする
などの工夫で、なんとか卒業することができました。
とてもつらく、大変でしたが、頑張って大学を卒業してよかったと、つくづく思います。
卒業後の進路
大学卒業後はフリーランスやアルバイトで働いていましたが、数年して症状が安定してきたので正社員として就職することに。
しかし、入社3ヶ月目で全治半年の骨折をし、3ヶ月入院することになりました。
それでも入社したばかりでは3か月以上休めず、むりやり復職をしました。

松葉杖をついての電車通勤でも席を譲ってくれる方はほとんどいません。
一人暮らしで買い出しや家事もしなければならず、疲労と心労でうつ病が悪化し、会社には自主退職を迫られました。
職を失った直後は自暴自棄になっていましたが、もう失うものはないと気づき、開き直ってニートを楽しむようにしました。
旅行と現在の様子
まずは骨折のリハビリを兼ねて国内旅行へ。
旅行は性に合っていたようで、今では精神安定剤のようなものになっています。
コロナ禍で海外に行けなくなった直後はまたうつ病が悪化しましたが、旅行再開ムードが高まってきた2022年に海外旅行を再開すると、たちまち症状が回復。

帰国してすぐに職探しをして、1ヶ月もしないうちに在宅で毎日6~12時間の仕事をこなせるようになりました。
フリーランスの在宅ワークは、朝の決まった時間に起きる必要がなく、仕事のやりとりもメールやチャットで済ませられるうえに、疲れたら好きなタイミングで休めます。
自分のペースで仕事ができるので、長時間労働になっても気楽にやれています。
まとめ
うつ病に服薬は必須ですが、具体的な回復方法は人それぞれで、正解はないと思います。
私の場合は、「自身の欲望に素直に生きる」ことが回復の近道だったように思います。
・朝起きれなかったら無理して起きる必要はなく、好きなだけ寝る
・お風呂に入りたくなかったら入らなくてもいい
・ニートを満喫する(貯金は使い果たしましたが…)
これらが「真面目な人間でなければいけない」「こうしなければいけない」というような考え方をやめるきっかけになったのでしょう。
旅行という精神安定剤を見つけることができたのも大きいと思います。
同じ病気にかかっている人へのメッセージ
私は26年間、うつ病の治療を続けて、現在も寛解はしていません。
もし、次の瞬間に事故などで突然、死んだとしても構わないと思っています。
ですが、「どうせ死ぬならその前にやりたいことを思いっきり楽しむ」と死ぬまでにやりたいことを楽しんでいます。
死にたいと思っている人に対して、「あなたが死んだら悲しむ人がいるよ」という言葉ほど残酷なものがあるでしょうか。
あなたの人生はあなたのものです。
「死んではいけない」というのは正しい倫理観ではありますが、自殺を思い留まらせただけではなんの解決にもなりません。
今この記事を読んでいる方に「死ぬのは良くない」と言うのは簡単ですが、私は知らない誰かに対して、自殺を思い留まらせてまで、何かの手助けができるわけではありません。

うつ病になる人は真面目で責任感が強い人が多いと言われています。
うつ病になるほど頑張った方は、その生き方を誇りに思ってください。
そして、もっと気楽に人生を考えても大丈夫です。
120%の力で頑張っている人は70%くらいに力を抜いて、それで普通の人の「頑張っている状態」と同じくらいになるのではないでしょうか。
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