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◎この記事の中の人プロフィール◎
【年齢】29歳
【職業】会社員
【服用薬】エビリファイ、炭酸リチウム等の抗精神病薬
【既往歴】過敏性腸症候群(18歳~)、双極性障害Ⅱ型(19歳~)、統合失調症(25歳~)
【喫煙歴】なし
【飲酒歴】あり

私は19歳の時にいわゆる躁鬱病を発症、その後統合失調症を併発し、人生に大きな影響を及ぼしました。
大学の休学、中退、就職後も休職を経験しましたが、今は寛解状態が3年ほど続いています。
判断力が欠如し、どんどん悪循環にはまっていくのが精神疾患の怖いところです。
私自身、両親がいなければ死んでいたかもしれないとすら感じます。
少しでも苦しんでいる人の助けになれればと思い、この場をお借りして私の体験談を紹介させていただきます。
もくじ
双極性障害とは
うつ状態と躁状態(ハイテンションな状態)を交互に繰り返す精神疾患です。
一般的に、うつ状態では気分の落ち込み、希死念慮など。
躁状態では活動的、積極的になり反社会的な行動を起こす例もあります。
うつ病の一種と誤解されがちですが異なる病気です。
自身が感じた病気のイメージ
まず一般的なイメージとの乖離を感じました。
精神疾患ではありますが、私の場合はまず体の痛みから症状が始まり段々と気分のムラを感じるようになりました。
特にうつ状態の時は気分の落ち込みと同じくらい頭痛や関節痛、肩こりに悩まされました。

血行不良によるものか幻痛と言われるものか、今となってはわかりません。
またうつはかなり認知されていますが、躁状態のことは人に話しづらいと感じます。
復学後に病気のことをよく質問されましたが、ヤバいやつだと思われるのが嫌で躁のことは伏せるようにしていました。
双極性障害の闘病記
大学1年時に発症
浪人中に過敏性腸症候群を発症していた私は、憂鬱な気分で大学に入学しました。
同じ部屋に人がいるだけで緊張して腹痛が始まるのです。
こんな状態で4年間も授業を受けられるのか、友達と遊んだりもできないだろうし、卒業したところでどんな仕事ができるのかと。
10代という若さもあり、必要以上の絶望感に襲われていました。
しかし元々ワイワイやるのは好きな方で、友達は自然とでき、一緒に授業を受けたり一見普通に過ごしていました。
授業中に席を立つ回数が多いことはお腹が弱いと言ってごまかしていました。

そんなころ、最初に感じた異変はちょっとしたことでした。
朝起きるのが異常につらくなったことと、苦手だったスイーツが大好きになったことです。
そのうち頭痛、肩こり、体の痛み、脱力感を感じるようになりました。
そして気分の異常な落ち込みを感じるようになり、元々つらかった大学にはすぐに行かなくなりました。
不安定な生活と受診

部屋はゴミだらけ、お風呂は何日も入っていないという状況でした。
時折反動のように元気になるので、そのタイミングを逃さず食料の買い出しに行き生活していました。
さすがにこれはうつ病か何かだと思い母親に状況を伝え、休学して実家で治療することになりました。
道中でへたり込んでしまうかもしれないのでアパートまで母に迎えに来てもらいました。
そして、実家に帰りすぐに精神科を受診しました。
当然うつ病と診断されると思っていましたが、『双極性障害』という難しい病名を告げられ驚いたのを覚えています。
治療

その日から投薬を中心とした治療を開始しました。
また、医者からは柔軟体操と軽い運動を勧められました。
薬の副作用で口の中が一日中苦い上に、喉が渇いて一日中水を飲んでいました。
気分の落ち込みに加えて体が痛く、定期的に襲ってくる頭痛。
そうかと思えば、急に元気になって散歩に出かけたり、家の大掃除を始めたりと不安定な状態でした。
私の場合、治療の甲斐あり4か月ほどでほとんど症状が出なくなり、1年で復学することができました。
経過と現在の様子

しかし、現実は厳しいです。
復学すると、結局同じことの繰り返しになってしまいました。
1年目ほどではないものの症状が再発し、大学へは足が向かなくなりました。
そのまま大学は退学。
それでも、少しでも小さい負担で単位をとれるよう文転して他大に再入学し、なんとか卒業することができました。
就職後も統合失調症を発症し休職を経験しました。
ただそのタイミングで何故か過敏性腸症候群の症状が急に改善し、それから3年が経ちます。
再発は怖いですが、今は闘病中の8年間夢に見続けた普通の暮らしができています。
まとめ
あれほど苦しめられた過敏性腸症候群の症状が落ち着き、他の悩みは尽きませんが今の生活には本当に感謝しています。
苦しんだ約8年間、どんなに打ちのめされても最後には前を向いて前進してきた事は本当に自信になりました。
まだまだ人生は長いですが、今後何があっても自分なら腐らずに前進していけると思っています。
同じ病気にかかっている人へのメッセージ
残酷なことに、病気はかかるのも治るのも運が大きいと思います。
持って生まれた性格、体質も運ですよね。

だからこそ、病気になったことはあなたの責任ではありません。
病気で苦しい時は少しでも楽な方へ逃げるべきだと思います。
中途半端ではなく、とことん逃げて、とことん自分を甘やかしていいと思います。
そして、少し余裕が出てきた頃にまた0.1歩ずつでも何かを始められればいいと思います。
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