【作業療法士が教えたい!】腰痛のタイプ分けとその対応

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

ぎっくり腰、立ち仕事でくる腰痛、デスクワークで起こる腰痛…

とてもポピュラーなのは、それだけ痛みにお悩みの人が多いから。

「自分だけじゃないし、一生付き合っていくものなんでしょ?」

あきらめないで下さい

今回はタイプ別に腰痛の治療についてお伝えします。

実は原因がはっきりしない腰痛が8割以上

こんなに痛いのに、レントゲンやMRIを撮っても「画像上は問題ないね~」と言われてなんだが腑に落ちない。

実は、病院にかかっても原因がはっきりしない腰痛は全体の8割を超えるそうです。

病院でレントゲンなどの画像診断でわかるのは、骨や椎間板の変形があるか、神経が通る隙間が狭くなっていないかどうか。

なので、

  • 圧迫骨折(尻もちやいつの間にか骨折)
  • 椎間板ヘルニア
  • 椎間板症
  • 脊柱管狭窄症
  • 脊柱の変形
  • 骨棘(こつきょく:骨にトゲのようなものができる)

などは腰痛の原因として画像から診断ができます。

しかし画像では原因がわからないものもあります。

椎間関節や仙腸関節の炎症や軟骨のすり減りは画像からはわかりません。

また筋力も画像ではわからないので、背筋や腹筋の弱さからくる腰痛は別の検査が必要です。

「どうしたら痛い?」でわかるあなたの腰痛タイプ

腰痛の分類は原因や痛みの場所など色々な分け方がありますが、今回は腰痛の原因よりも「どうしたら痛いのか」によってタイプ分けをし、その対処方法をお伝えします。

下の5つのタイプ、あなたはどれに当てはまるでしょうか?

  1. どうやっても痛い・じっとしていても痛い
  2. 体を反らせると痛い
  3. かがむと痛い
  4. ねじった時・座っているときにお尻が痛い
  5. 同じ姿勢を続けた後やスポーツなどの後に痛い
  6. 寝起きに痛みが強い

もちろん、重複していることもありますが、どうした時に痛みが強いのかを知ることで、ある程度の原因予測と対処が可能になります。

タイプ別の原因と対処方法

1.どうやっても痛い・じっとしていても痛いあなた

ぎっくり腰になったばかり、もしくは背骨の骨折などの可能性もあります。

まずは安静。少しでも楽な姿勢をとっておくのが基本です。

横向きなら膝の間に枕やクッションを挟んで

仰向けなら膝を立てるか、ひざ下にクッションを置くなどして骨盤周りの筋肉をゆるめてあげてください。

患部を触って熱を持っているようならその部分だけを冷やして下さい。

2.体を反らせると痛いあなた

子供を抱っこしたり、のけぞるような姿勢をとると痛みが出る方。

脊椎の間(椎間関節)の問題が原因のようです。

普段から反り腰だったり、腹筋の弱さがある方に多くみられる症状です。

男性より女性に多く見られるのも特徴です。

腹筋強化とストレッチに励みましょう。

よく見るこの方法は正しくやれば効果は高いのですが、自己流で行うと首を痛めてしまったり、逆に背中ばかり使ってしまいます。何よりツライ…

お腹の深い部分とウエストに効くプランクをおススメします。

うつ伏せの姿勢からつま先と肘をついた姿勢をとり、腰を上げます。頭・背中・お尻・脚が一直線になるように気を付けて30秒キープ。

ストレッチは座った状態で前に体を倒すだけ。お尻と腰の筋肉が伸びていることを意識して下さい。慣れてきたら両脚を開いて、膝の間に頭を入れるようにすると更に筋肉が伸びます。

元の姿勢にもどる時に腰を痛めることがあるので、両膝に手をついて補助しながらゆっくり戻って下さいね。

3.かがむと痛いあなた

靴下をはこうとし時や、物を拾おうとしたときに痛みが強まる方。

椎間板に問題がありそうです。

デスクワークが多かったり、腹筋背筋両方(特に背筋)が弱い方に多くみられます。

お腹や胸の柔軟性向上と、背筋トレーニングを行いましょう。

そんなあなたには上体反らし。

うつ伏せから手のひらをついて気持ち良く体を反らせましょう。骨盤が浮かないように、違和感がない範囲で30秒キープです。

4.ねじった時・座っているときにお尻が痛いあなた

お尻のえくぼの内側あたり、尾てい骨と腰の間(仙骨あたり)が痛い方。

仙腸関節の問題があるかも。

骨盤の歪みを整える運動やストレッチを行いましょう。

このタイプの方には四股(しこ)がおすすめ。

脚を広めに開いて、腰を落とします。手は膝の上あたりに置き、膝は外側に向けて開いてください。その状態で肩を前に入れます(少し体をねじる感じです)。これを左右繰り返しましょう。

5.同じ姿勢を続けた後やスポーツなどの後に痛いあなた

同じ姿勢や負荷のかかる動作で筋肉が疲労したり固くなっているようです。

痛みのある部分の筋肉をストレッチしたり、筋膜リリース・マッサージでリラックスさせてみましょう。

6.寝起きに痛みが強いあなた

睡眠中の寝返りが少ない可能性があります。

長時間の同じ姿勢をさけるため、大人は一晩で20回程度寝返りをするのが普通と言われています。

寝返りが少ないと、デスクワークと同じように、睡眠中に同じ姿勢をとり続けてしまっていることになります。

仰向けが長すぎると、内臓(体重の40%の重さがあると言われています)が腰の椎間板や筋肉に負担をかけ続けます。

横向きが長すぎると、背骨が側弯して負担がかかります。

うつぶせばかりだと、腰が反って負担がかかります。

睡眠中に寝返りしやすくする工夫として、寝る前に体をほぐしてあげる対処をしましょう。

肩まわりをほぐす

寝た状態で、頭の後ろで手を組みます。その状態から肘を横に開いていき、開きったところで20秒キープするだけ。

腰回りをほぐす

仰向けに寝て、片方の膝を立てたら、反対の脚を超えてクロスさせます。そのまま痛みの出ない範囲の精一杯まで腰を回して20秒キープ。

これを左右行います。

まとめ

腰痛のタイプ分けとその対処法の一例をお伝えしました。

マッサージは確かに気持ちが良いのですが、それだけでは治らない腰痛も多いのです。

時に癒されつつ、自分で体をいたわるセルフメディケーションを習慣化して下さい。


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カテゴリー:痛み, 作業療法士【痛み】

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