【エピソード⑯:双極性障害に悩んでいる方へ】私は粘り強く治療を続け、寛解させました

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双極性障害とは

双極性障害とは、以前は「躁うつ病」と呼ばれていた病気で、

「躁状態とうつ状態という二種類の病相を繰り返す病気」です。

私は双極性障害の中でも、うつ状態が長い、双極性障害2型にかかっています。

躁状態

躁状態とは、体の調子や感情、気分が高揚する状態です。

代表的な躁状態の症状は以下の通りです。

・気分高揚

・睡眠時間の減少

・多弁

・誇大性(自分が人より優れていると思う)

・活動量の増加

・怒りやすくなる

うつ状態

躁状態に対して、うつ状態では、体の調子や感情、気分が低下する状態です。

代表的なうつ状態の症状は以下の通りです。

・抑うつ状態

・興味喪失

・体重減少

・意欲低下

・不眠

・自責

・死にたいと思う

・何をしても疲れる

混合状態

躁状態とうつ状態の症状が同時に出る状態です。

双極性障害になって感じること・私が思う双極性障害のイメージ

私は自分が双極性障害になる前は、「躁うつ病」と聞くと「すぐカッとなって怒ったと思ったら、次の瞬間泣きながら死にたがる」ようなイメージを持っていました。

しかし、自分が実際かかってみると、気分はそれほど早く切り替わらないと思いました。

(もちろん個人差はあります。)

私は3~6ヵ月ごとに躁状態と鬱状態が変わるため、

1日のうちに喜怒哀楽が大きく変化することはありません。

また、以前は「なんだかよく分からないけど、怖い病気なんだろう」と思っていました。

自分だけでなく、周りの患者さんたちを見ていると確かに以前と別人のように変わる人も多くいます。

中には症状として人当たりが激しくなったり、借金をしてしまう人もいます。

確かに身を亡ぼす危険があり、自殺率も高く怖い病気なのですが、

治療をすることで落ち着かせることができる病気でもあります。

診断当初は落ち込み、悲観的になっていましたが、現在の私の双極性障害へのイメージは、

「とても大変な病気だが、死に直結しない、治療法がある病気」です。

双極性障害の診断まで

私は13歳の時のある日、突然学校に行けなくなりました。

体が鉛のように重く、生きている価値がない、死にたい、と強く思いました。

そして精神科に行き、診断されたのが「うつ病」でした。

そこから28歳になるまでの15年間、私は「うつ病」と誤診されていました。

基本的に患者はうつ状態の時しか通院しないため、とても誤診率が高い病気なのです。

私もその通りで、とても元気に登校し、毎日アグレッシブに活動する半年間が来ると、

毎回「私のうつ病は治ったんだ」と思い、通院をやめてしまいました。

しかし、双極性障害にうつ病の薬は禁忌といわれており、年々症状が悪化していきました。

ついに仕事がままならず、休職した際に受診した病院にて、やっと「双極性障害」だと診断されました。

双極性障害の治療

双極性障害には、完全に病気が治る「完治」はないといわれています。

一時的に病状が出ない「寛解」が治療目標です。

薬物療法

双極性障害の治療で最も重要な治療の一つが薬物療法です。

主に気分安定薬が処方されます。

私は過去にリチウム、現在はラミクタールを服薬しています。

他にも抗精神薬を組み合わせ、症状の予防をしています。

精神療法

薬で躁状態とうつ状態はかなり抑えることができます。

しかし、薬を飲み続けることも容易ではありません。

薬を飲み続けられるよう、指導をするために、用いられるのが精神療法です。

心理療法

薬物療法には限界があります。

双極性障害の症状は、薬では完全に防ぐことができないため、心理療法も取り入れます。

また、双極性障害は、ストレスによって病状が悪化すると考えられています。

心理療法でストレスを減らせば、再発の防止に繋がります。

私は、毎週心理療法を受けることで、自分が今躁状態なのかうつ状態なのかチェックするとともに、日々のストレスを緩和することで精神安定を図っています。

心理教育

心理教育では、双極性障害についての教育を行います。

大きな効果があると言われています。

私も診断された当初に心理教育を受け、病識を持てたことで対処方法が分かり、治療に役立てることができました。

社会リズム療法

一日のスケジュールと、その時の気分、刺激量を記す方法です。

そして、毎日決められた時間に起床・就寝し、刺激を調整します。

診断当初から現在も毎日記入し、カウンセリングに活かしています。

その後の経過

診断されて服薬を始め、初めての躁状態・うつ状態では心理教育を受けながら過ごしました。

そして少しずつ躁・うつ状態が軽くなり、2年目に寛解することができました。

その後、また躁状態が出てしまいましたが、以前よりは比べ物にならないくらい落ち着いています。

まとめ

今後の目標は、もう一度寛解状態になり、寛解状態を少しでも長く続けることです。

また、現在は通常勤務が難しく、フリーランスで働いているため、

双極性障害を持ちながらでも働き続けたいと思っています。

【7】同じ病気にかかっている人へのメッセージ

双極性障害と診断された方は、大きな病気のように思えて悲観的になっているかもしれません。

しかし、双極性障害は治療法がある病気で、服薬を続けることが重要です。

時には心理療法も用いながら、病気と付き合っていくことで、病状が良くなる可能性があります。


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カテゴリー:体験談

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